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個人再生

 

個人再生とは,債務が増えていき,給料や収入からの支払いができなくなった場合,裁判所へ,個人再生の申立てを行い,残っている債務の大幅圧縮を受けることができる手続きのことをいいます。

特に,住宅ローンを組んでいる方について,住宅ローンのみを従前どおり返済しつつ,住宅ローン以外の債務の大幅圧縮を受けるという使い方もできます。

1 個人再生ができる場合(履行可能性)

個人再生ができる場合について,支払不能のおそれがあれば個人再生の利用が検討できます。

支払不能とは,弁済期が来ている債務を継続的に弁済できない状態をいいます。そのため,一時的に弁済が出来ていないだけでは,支払不能にあたらないことになります。

また,個人再生では,破産手続きと違い,将来的に,大幅圧縮を受けた債務を支払っていく必要がありますので,履行可能性の判断、すなわち、安定収入があり,将来的に返済を継続出来る方でないと利用ができません。

そのため,サラリーマンの方で勤務実績が3年程度ある方であれば,収入にもよりますが利用が容易になる傾向があります。ただ,勤め始めて間がないようなサラリーマンの方でも,再生期間中を通じて,返済の可能性を考慮してもらうことにより,個人再生手続きが通っているケースもあります。

その他,女性の方でも,専業主婦でご自身の収入がない場合,個人再生手続きの利用ができませんが,パートで毎月数万円の収入があり,夫の収入と合計すると,家計として,毎月返済をしていくことができる場合,個人再生手続きの利用可能性が出てきます。

安定収入という点では,個人事業主の方で,月により,売上げの増減があったり,繁忙期があったりするような方もおられますが,その場合,売上げの低い月でみたり,売上げの波が大きい場合,平均してみていくことも考えられ,そのうえで,履行可能性をみたすと判断できるのであれば,個人再生手続きを通すことができます。

個別の事案について,個人再生手続きを利用でき,再生手続きを通すことができるかについて,総合的な判断になりますので,お気軽にお問い合わせ頂きましたら,個人再生手続きの可否について,弁護士の見解をお示しさせて頂きます。

なお,当法律事務所でご依頼を受けました個人再生手続き(住宅ローン付案件含む)の案件について,認可決定を得ている可能性は100%になっております。

※ もちろん,ご相談,ご依頼の段階で,個人再生手続きの利用が適当な事案かどうかを判断しており,個人再生に適さない案件については,他の方法をご提案させて頂いたうえでの数字になっております。

2 個人再生のメリット・デメリット

個人再生のメリットについて,個人再生を申し立て,認可決定を得ることにより,債務の大幅圧縮を受けることができます。具体的には,概ね,現在残っている債務総額の2割を支払えば,8割をカットしてもらえることになります。

また,住宅ローンを組んでいる場合,住宅ローン(銀行ローン)のみを従前どおり支払いを継続することにより,ご自宅を残すことができて,かつ,住宅ローン以外の債務について,同様に大幅圧縮を受けることができます。

これに対し,個人再生のデメリットとして,お金の面での信用が失われますので,新たに借入をしたり,クレジットカードを作ったり,分割での商品購入(車,パソコン,家電など)ができなくなります。

3 個人再生を選択すべき場合

個人再生を行うと,概ね8割の債務をカットしてもらえますが,2割を支払わなければならないということです。

これに対し,自己破産手続きを行った場合,債務の10割,すなわち全額をカットしてもらえます。

そのため,債務を免れることができるというメリットの点だけを捉えると,自己破産の方がメリットが大きいといえるでしょう。

では,自己破産に対して,個人再生手続きは,大きく以下の4つのケースで独自の存在意義があるといえます。 

1 住宅ローンを組んでいる自宅があるケース

住宅ローンを組んでいる自宅があるケースで,住宅ローン以外の借入が膨らんだ場合,自己破産手続きを選択すると,住宅ローンの返済ができなくなるため,自宅が競売にかけられて自宅を失うことになってしまいます。

しかしながら,住宅というものは,生活の本拠であり,借入が膨らんだとしても何とか住宅だけは残したいと考えるのが人情です。

そこで,法律は,個人再生手続中,住宅ローンの返済のみを特別扱いし,住宅ローンの支払いを継続することにより自宅を残しつつ,住宅ローン以外の債務について,大幅圧縮を受けられるということを規定しました。

そのための条件として,①原則として,現在,自分で居住している建物であること,②住宅ローン債務以外の抵当権が設定されていないこと,③原則として,住宅ローンを滞納して期限の利益を喪失していないことなどが挙げられます。

同条件に該当するかどうかは,事案に応じた具体的な判断が必要になりますので,ご自身のケースが上記条件に該当するかについて,個別にご相談ください。

2 免責不許可事由に該当する恐れがある場合

借入が増えて毎月の給料から返済できなくなった場合,自己破産手続きを選択することも考えられます。

ただ,自己破産手続きにおいて,裁判所は,借入をしたお金の使途に重点を置いて審査することになります。

具体的には,借り入れたお金の使途の大部分がギャンブルや浪費的な買い物,遊行費に使われていた場合,簡単に破産ができて債務を返済しなくてもよいことになれば,道義上問題が生じてきますので,法律上,免責不許可事由という形で免責を認めないという扱いをしております。

このように破産で免責が受けられないが,債務が高額になり,毎月の給与から返済ができないようなケースにおいて,個人再生手続きを選択することが考えられます。

個人再生手続きにおいては,お金の使途も聞かれますが破産手続きとは違い,お金の使途に重点を置くわけではなく,むしろ,個人再生手続き期間中,一定額を安定して返済をしていけるだけの経済力があるかどうかに重点を置いた判断を行うことになります。

そのため,破産による免責が認められないと思われるケースにおいて,個人再生手続きを行うということが考えられます。

3 破産手続きの資格制限を回避したいケース

破産手続きを行った場合,破産法上,資格制限がかかる職業があります。

よくあるケースとして,警備員の仕事についている方や生命保険募集の仕事をしている方などが挙げられます。これらの職業に従事している場合,自己破産を行うことにより,仕事を退職しなければならなくなります。

年齢や経歴にもよりますが,一度,仕事を辞めた後,再就職を行う場合,仕事が見つかる可能性が確実でなく,また仕事が見つかるまでの生活にも困りますので,できれば従前の仕事を継続して行いたいものです。

このような場合,破産手続きではなく,個人再生手続きを選択することにより,破産に伴う資格制限を回避しつつ,債務の大幅圧縮という個人再生のメリットを享受することで,多重債務問題の解決を行うことができます。

4 一部でも返済をして解決したいケース

債務総額が多額になり,任意整理で全額返済することはできないが,たとえ一部であっても,働いて稼いだお金から返済を続けることにより,自分が借入をした借金問題を解決したいと考える方もおられます。

また,イメージ的な問題で,破産を避けたいから,一部でも返済をして,破産を回避したいという方もおられます。

そのように,全額の返済まではできないが,一部返済することにより,借金問題を解決する手段として,個人再生を選択することもできます。

4 個人再生を行った場合の弁済額

個人再生では,住宅ローンを除く債務総額(以下,「債務総額」と略します。)の一部を弁済していくことが必要になります。

弁済すべき金額の計算方法は,以下のとおりになります。

1 債務総額が1500万円以下の場合

債務総額が1500万円以下の場合,債務総額の2割を弁済していくことになります。

例えば,債務総額が600万円の場合,600万円の2割である120万円を返済していくことになります。

弁済期間は,原則として3年になりますので,120万円を3年で割ると,1ヶ月あたり金3万3334円の弁済額になります。

ただし,実際に個人再生手続きが認可された後,弁済回数について,3ヶ月に一度,3ヶ月分を支払うことになり,1ヶ月分3万3334円の3ヶ月分で10万0002円を3ヶ月に一度支払うということになります。

具体的には,平成25年1月20日に3ヶ月分10万0002円を支払うと,次の支払が平成25年4月20日,10万0002円を支払い,以後同様に同年7月20日,同年10月20日・・・と3年間,12回の支払いになります。

個人再生手続きでは,毎月の収入から,住居費(家賃や住宅ローン),食費,光熱費等,その他生活費を控除した後,上記例であれば,月3万3334円が残り,安定して弁済ができるかどうかを判断します。毎月の収入から,安定して弁済ができるようであれば,個人再生手続きができることになります。

なお,基本的な考え方は,債務総額の2割を返済するということになりますが,最低弁済額が100万円となっております。具体的には,債務総額が500万円を下回ると,その2割が100万円を下回ることになりますが,このような場合,一律100万円を支払うということになります。

具体的には,債務総額が350万円の場合,350万円の2割は,70万円になりますが,100万円を下回っているため,100万円を3年間かけて弁済をするということになります。そして,100万円を3年で割ると,1ヶ月あたり2万7778円の弁済額になります。

以上が債務総額を基準にした弁済額の計算方法になります。ただ,以下の4で詳述しますが,財産を基準にした計算も合わせて行う必要がありますので,ご確認頂きますようお願い致します。

2 債務総額が1500万円超,3000万円以下の場合

債務総額が1500万円を超えて,3000万円以下の場合,個人再生で弁済を行う金額は,一律300万円になります。

具体的には,1500万円の2割が300万円になりますが,1500万円を超えて,3000万円までは,債務総額が2000万円でも2500万円でも一律300万円になるということです。

そして,債務総額が1500万円を超えて,3000万円以下の場合,弁済額300万円になり,3年間で割ると,1ヶ月あたり8万3334円の弁済額になります。1ヶ月の弁済額が8万円を超えてきますので,ある程度の収入がないと個人再生を行うことが難しいと思われます。

3 債務総額が3000万円超,5000万円以下の場合

債務総額が3000万円を超えて,5000万円以下の場合,債務総額の1割を弁済していくことになります。

例えば,債務総額が3500万円の場合,3500万円の1割である350万円を弁済していくことになります。

弁済期間は,原則として3年になりますので,350万円を3年で割ると,1ヶ月あたり金9万7223円の弁済額になります。

なお,債務総額が5000万円を超えている場合,法律上,個人再生手続きを行うことができません。債務総額の5000万円には,借入元金はもちろん,利息,遅延損害金も含まれますので,債務の支払いができなくなってから期間が経過すると高額の遅延損害金が発生していたということもあり得ますので,注意が必要です。

4 財産基準(財産が多い場合の例外)

以上,1から3でご説明させて頂きましたとおり,原則として,債務総額を基準に個人再生での弁済額を計算することになります(債務基準)。

ただ,債務基準には例外があり,債務基準で算出した個人再生での弁済額よりも,財産の合計額が多い場合,財産の合計額が個人再生での弁済額になります。

これは,個人再生ではなく,自己破産手続きを選択した場合,お持ちの財産を換価して配当を行うという流れになりますので,個人再生手続きを行う場合,破産での配当額以上の弁済を行わなければならないという清算価値保証原則という考え方によります。

例えば,債務総額が600万円であり,債務基準によれば,600万円の2割の120万円が個人再生での弁済額になるというのが原則的な考え方です。ただ,財産として,生命保険の解約金が80万円あり,時価70万円でローンのない自動車がある場合,合計150万円の財産があることになります。このような場合,債務基準で算出した120万円よりも,財産の合計150万円の方が多いため,財産基準により,150万円が個人再生手続きでの弁済額になります。そして,150万円を3年で割ると,1ヶ月あたり4万1667円を支払うということになります。

なお,この例によれば,生命保険と自動車が存在していますが,個人再生を行った場合,生命保険の解約をすることも,自動車の処分をすることも必要ありません。単に,財産基準の算定の基礎に用いられるということになります。

1点,注意が必要なのが,財産基準の財産のうち,特殊なものが退職金になります。5年以上,同じ職場で働いている場合,退職金が発生している可能性があるため,退職金額を確認するよう裁判所から求められます。ただ,退職金といっても,実際に退職するわけではなく,現時点で自己都合で退職をした場合,いくらの退職金があるのかを把握します。そして,退職金額を8で割った数字を擬制的に退職金の現在価値として扱うことになります。

具体的には,現時点での自己都合退職金額が800万円ある場合,800万円を8で割った100万円が退職金の現在価値として計算され,財産基準の金額に合算されることになります。

5 個人再生手続きの流れ

まず,弁護士から,債権者に対し,受任通知を一斉に送付し,受任の事実を債権者へ知らせることになります。同通知により,債権者からの連絡先について,電話も郵便も含めて,全て法律事務所が連絡窓口になるよう周知をします。

そのため,弁護士へ,依頼した後,業者からの直接の連絡がなくなります。また,弁護士へ依頼した後,業者への返済を止めるということになります。

受任通知と同時に,債権調査という形で,各債権者へ,債権の有無,現在の債権額を法律事務所まで届け出てもらうようにします。

債権者からの届けが出そろうまでには,1ヶ月から2ヶ月ほど要します。

次に,債権調査がある程度進んだ段階で,打合せを行い,個人再生に至った事情の詳細を聞き取り,個人再生の申立書を作成します。

個人再生手続きの審査は,基本的に,書面審査であり,裁判所へ出頭することはほとんどありません。

また,申立書の内容を裏付けるため,住民票や,預貯金の通帳,保険の証券等,必要書類を収集して頂きます。

以上の手続きを経て,債権届け,申立書,資料の収集ができた段階で,個人再生の申立てを裁判所へ行います。通常,弁護士への依頼から,個人再生まで,特に問題がなければ,3ヶ月あれば申立てができます。

裁判所へ,申立てをした後,いよいよ裁判所での審査が開始します。

申立てから,約2週間で,個人再生手続きの開始決定が出ます。開始決定が出てから,約100日後,最終の決定である個人再生の認可決定が出ます。

申立後,将来の支払いに備えて,預金口座を新しく開設し,将来の支払に備えて,毎月,支払額を口座に積み立てていくことになります。

裁判所での審査では,支払総額を3年間,安定して支払っていけるのかが審査の中心になります。例えば,サラリーマンで毎月安定収入があるような方であれば,特に,問題なく,履行可能性が認められているケースが多いです。

以上の手続きを経て,最終の認可決定が出てから,5週間で同決定が確定します。確定した後,確定日の属する月の翌月20日から,支払いが開始され,以降,3ヶ月に一度,3ヶ月分の支払いを行い,3年間,12回払いで全額支払うことができれば,個人再生手続きが終了します。

 
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